みみすけの「青い空(そら)」

初心者ファミリーキャンパー「みみすけ」のキャンプにはまって行く様や、家族の日常をつづる日記です

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チャールズ・ディケンズ

クリスマス・キャロル

クリスマスに関する映画をひとつだけあげろと言われれば、私は「クリスマス・キャロル」を挙げるでしょう。知っている方も大変多い作品だと思います。

私にとって、クリスマスという日、クリスマスイブを意識させる映画であり、私が映画館で最初に見た映画で、なおかつ、今でも皆さんにお薦めしたい映画です。
(最近DVDが期間限定で発売されて、Getしました。今だとアマゾンで中古品がとても高値で売られています。)

1970年、映画などあまり行かない我が家、中学に入ったか入らないかの姉が、当時人気といわれるこの映画の試写会チケットを新聞社から手に入れて来ました。当時小学校に上がったかどうかの私は、映画というもののあり方もわからず、ただ家族一緒に試写会に招かれた付き人でした。

しかし、3人のクリスマスの精霊の話/人生の生き方の話は、ミュージカルという変わった世界と共に、幼い心にも深く残り、クリスマスがあるたびに、「心を清める」という言葉で鮮やかによみがえります。
作品自体も、繰り返しリメイクされており、時代を超えていくつもの作品があります。また「3人のゴースト」などという名のリメイク(?)等もあり、派生品は計り知れないと思います。

では、今日は、この『クリスマス・キャロル』というお話について少しお話しましょう。

本来、クリスマス・キャロルとは元々世俗的な共同体の「クリスマスを祝う祝歌」でしたが、キリスト教の聖日や行事に関連して歌われた物でもありました(『聖しこの夜』『もろびとこぞりて』など)。
クリスマス・イブの夜、教会に集まった子供たちが、街の家々を訪ねて、クリスマス・キャロルをうたう慣習が、欧米にはあるそうです。

物語は、そんなクリスマス・キャロルをけむたがった守銭奴、一人の初老の老人(スクルージ)が体験する、クリスマスイブの超自然的な一夜の出来事をつづったお話です。

この作品を書いたチャールズ・ディケンズはイギリスのヴィクトリア朝を代表する小説家ですが、最初は法律の事務員、そして新聞記者という履歴を持ち、小さい頃の厳しい貧乏の経験から労働者階級に同情を寄せた作風が色濃いといわれています。

そんなディケンズの労働者への熱い思いと慈愛の精神が注ぎ込まれた作品がこの「クリスマス・キャロル」で、1843年12月17日に発表された短編小説でした。

【物語の概要】
主人公は、エベネーザ・スクルージという初老の商人で、冷酷無慈悲、エゴイスト、守銭奴で、人間の心の暖かみとか愛情などとは、まったく無縁の日々を送っている人です。
ロンドンの下町近くに事務所を構え、薄給で書記のボブ・クラチットを雇用し、血も涙もない、強欲で、金儲け一筋の商売を続け、隣人からも、取引相手の商人たちからも嫌われています。

明日はクリスマスという夜、事務所を閉めたあと自宅に戻ったスクルージは、かつての共同経営者で、十年前に亡くなったマーレイ老人の亡霊の訪問を受けます。
マーレイの亡霊は、金銭欲や物欲に取り付かれた人間がいかに悲惨な運命となるか、自分自身を例としてスクルージに諭し、スクルージが悲惨な結末を回避し、新しい人生へと生き方を変えるため、三人の精霊がこれから彼の前に出現すると伝えるのです。

スクルージを訪ねる三人の精霊は、「過去のクリスマスの霊」、「現在のクリスマスの霊」、そして「未来のクリスマスの霊」です。

過去の精霊は、スクルージに元恋人イザベラとの楽しい日々。
愛しながら別れた追憶の青春を見せます。そのことからスクルージは、強欲のかたまりとなって行くのですが、現在のスクルージはこの過去のできごとの再現にいたたまれなくなります。

ふと目覚めると、今度は、現在のクリスマスの精霊が出現します。
現在の精霊は、スクルージを、貧しい中にも明るい家庭を築いて、ささやかな愛で結ばれたクラチットの家族の情景を示します。
彼らが自分のために祝ってくれるのを見て良心が疼くスクルージ。
クラチットの末子ティムが、脚が悪く病がちで、長くは生きられないこと見せられます。
スクルージは人間の善意について考えざる得なくなります。

貧しさや無知が、人間を悲惨にさせ苦しめるのであり、暖かい心の交流や博愛が、人間をこのような貧困や社会的悲惨から救うのであるというディケンズの考えが、ロンドンの下町の生き生きした描写と共に伝えられてきます。

そして再度目覚めると、そこには真っ黒な布に身を包み、一本の手だけを前に差し出した、不気味な第三の精霊・未来のクリスマスの精霊がスクルージを待っていました。
スクルージがぞんざいな扱いをしてきた使用人クラチットの末子ティム少年が、両親の希望も空しく世を去ったことを知ります。

事務所の前では大勢の人間が嬉しげに騒いでいました。それは「ある人間の死」を喜んでいたのです。取立てが無くなって。。。つまりその死人こそがスクルージでした。死の世界で彼は泣き叫びます。
悔い改めたいのです。そう心から叫ぶスクルージ。。。

夜明けと共に、苦しみの中で彼は目覚めます。そして悪夢のような未来が、まだ変えることができる未来であると気づくのです。
神に感謝すると共に家を飛び出し、七面鳥を買い、回転木馬を用意してクラチット家へ、休暇を十分与え給料も上げ、ティムへの援助を申し出ます。
こうしてスクルージの変化に町には笑いがあふれ、最後は大行進。。笑いがこだまします。
人を愛し、人のために尽くすことの重要さを我々に教えてくれる映画です。

昔、独身時代の日常は仕事付けの日々、今とは違い、お金は使う暇なく、溜まって行くだけの毎日でした。クリスマスには、暗い空を見上げ、スクルージとわが身を重ね合わせることもあった「みみすけ」。
満たされることを教えてくれた家族とのクリスマスは、あの日々のことを遠くよみがえらせてくれます。

心を清めるクリスマスイブ
思えば、マーレーの亡霊は、スクルージにとってはサンタさんだったのですよね
皆さんのところに行くのは、普通のサンタさんかなシーッ(たぶんそうでしょ^^)?

では、ちょっと早いけど、ありったけの思いを込めて、『メリー・クリスマス』ニコッ

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