音声ガイド研修を終えて

だんだん、隔週から、月毎、さらに季節ごとのブログ更新に
なりつつあるこのブログですが、皆様いかがお過ごしでしょうか
みみすけです。

先日1/23(土)に音声ガイド研修の最後の回を参加してきました。
シンドラーのリストを11月より、毎週音声ガイド作りに没頭してきましたので
今週で終りというのは、感無量です。

音声ガイドというのは、セリフの合間に、シーンの説明を付け加える
副音声とか、音声ガイダンスなどといわれるものです。
(監督によるコメンタリーとかいうのはこれじゃあありません)

視覚障碍者の方が、頭の中で、映画のイメージを思い浮かべられるように
映像を分かりやすい表現でいうことや、場面の切り替え毎に
いつか、どこか、何人か、などを説明することが必要です。

しかし説明しすぎると、作品の良さを消してしまうことにもなるので
微妙な、さじ加減が必要なのです。

特に、今回のシンドラーのリストは、監督が監督だけあって
本当に、一つ一つのシーンに描写すべきことがテンコ盛り。
しかも場面がコロコロかわる手法も使われており
解説作りに、皆 頭を悩ましました。

そして、それぞれ言い合った原稿が監修の方によりさらに磨きあげられ
出来上がったものを、その日モニターの方に聞いてもらい
作品としてわかっていただけるかを確認します。

モニターの方は 70才を超えた男性の方ですが、我々の
主要メンバの一人でして、大変映画の解釈も深い方です。
感覚も鋭敏でして、指摘も非常に的を得ています。

モニターをしたい方は実は多いのだけれど、モニターのできるほど
映画に精通してかつ、作品の出来をきっちり指摘できる方は
そお多くはないので、いつも多忙な毎日を過ごされています。

シンドラーのリストは3時間を超える超大作。
しかも、映像による見せるシーンが盛りだくさんなので
音声ガイドはかなりの量になりました。
私としては、はつの作品の出来栄えに、おっかなびっくり
その方の表情を見たり、作品を眺めて、まだ修正するところがないかと
確認してみたりしましたが、やっぱりそれでも作品のクライマックスでは
涙が止まりませんでした。

モニターの方が、
「この作品はいい作品だねえ。そういうことだったんだ
この作品大好きになりましたよ。すばらしい」
そう皆さんに対して、話されたときに本当に充実感を感じました。

残念なのは、この作品は日本点字図書館に置かれるのですが
それを借りれる人は、障碍者だけだということ。
できれば晴眼者の人にも見てもらいたいなと思いました。
それほど、隠れた描写の多い、一度ではわからない多くのことを語りかける
作品でした。

このへんも著作権とかいろいろな縛りがあるんですよね。
自由にそういう壁をなくして、共に映画を楽しめるように
早くならないかなあと思います。

現在日本は、視覚障碍者の数も増えています。
その中でも高齢者の視覚障碍者の増加は、他国の約5倍の速度だそうです
それは障碍というのか、老化というのか、そこに境がなくなる時代が
すぐそこに来ようとしていると思うのです。
それに対して、日本の法整備は遅すぎる。
そう思うのは、きっと私だけでは無いはずだと思う。

今日は、堅い話で、最後まで硬く落ちもなしで、すいません。

あ、高田馬場の日本点字図書館(分室)近くのラーメン屋(つけめんや)さんは
とてもおいしかったです。(ははは)

ではでは。